横屋俊一 栃川昌文 福田和夫
Facebookなどソーシャルメディアの普及やクラウドサービスの進展など、ITの世界はどんどん進化しています。ITの進化が社会構造や経済構造を大きく変化させており、ITを抜きに企業経営は考えられなくなっています。そんな中、ITを上手に活用して企業競争力を高めている企業がたくさんあります。このように、ITという有用な道具を上手に活用して経営に役立てることを「IT経営」といいます。
「IT経営」を実践するためには、組織が目指す方向をはっきりさせ、そこに向かう経営課題を明確にして、それを解決するためにITをどのように活用するか、を考えることが必要です。ITを上手に活用して企業競争力を高めている企業は、こうした方法で「IT経営」を成功させています。
ところで、ITを活用することによる効果には、次のようなことがあります。
省力:ITのもっとも一般的な効果です。人手による作業を自動化して省力できます。
発信:インターネットなどを利用することで、より多くの人に情報を発信できます。
共有:一緒に仕事をする仲間(社内外を問わず)間で、リアルな情報を共有できます。
発見:蓄積された情報を分析することで、新たな課題を発見することができます。
便利:お客様との接点をIT化することで、お客様の利便性を高めることができます。
追跡:人や物が動いた情報を蓄積することで、異常を早期に発見することができます。
自社の経営課題を解決しお客様のへの提供価値を高めるために、上記のようなIT活用法がないだろうかと考え、それに応じたITシステムを導入しなければなりません。世の中で流行っているから、ITベンダーに強く勧められたから、という理由で安易にITシステムを導入すると、経営に役立つITには成り得ません。
また、最近では様々なITサービスが非常に安価(無料のサービスもあります)で提供されています。こうしたサービスを上手に活用するためにも、「IT経営」を実践する考え方は重要になります。
「IT経営」を成功させている企業さんの事例に学び、「IT経営」を実践するために必要なことは何か、IT利活用の「勘どころ」を押さえながら「IT経営」の実践方法をアドバイスし、IT経営にお役に立ちたいと思っています。
『架け橋』(2011年10月号 ITコーディネータ協会)
<特集>ユーザー企業の経営者に聞く仕事を頼みたくなるITコーディネータとは?